2016-08-27から1日間の記事一覧

『日本型「教養」の運命』筒井清忠著、岩波書店2009年

九鬼周造も和辻哲郎も新渡戸信者であった。 新渡戸は台湾植民運営、国際連盟の創設と言った実務家以外にも教育者として日本社会を形成した面を持っている。 私が新渡戸を植民研究者、アダム・スミス研究者として認識したのも、新渡戸の生徒であった矢内原を…

「日本の折衷主義 ー新渡戸稲造論ー」鶴見俊輔著、『近代日本思想史講座Ⅲ』筑摩1960

「近代日本思想史講座」に納められている鶴見俊輔の「日本の折衷主義」は、日本近代思想史が、マルクス主義の思想史家によってされる修正主義の批判だけでなく、折衷主義で議論される事が重要と、その折衷主義者であった新渡戸稲造論が展開している。 鶴見に…