2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『日本-その問題と発展の諸局面』(27)

『日本-その問題と発展の諸局面』「第四章政府と政治」にある、【十日本の政治における自由な要素】では、日本には「自由思想」はなく、明治維新と共にイギリスとフランスの自由思想が輸入されたが、すぐには根付かなかった、と。 伊藤公が政治思想をドイツ…

『日本-その問題と発展の諸局面』(25)

天皇制と憲法の話である。 『日本-その問題と発展の諸局面』の「第四章政府と政治」の中にある 「四,立憲政治のための訓練」。 この後 「五、天皇の大権」、が続く。 「六、長老政治と枢密院」、「七、貴族院」、「八、選挙制度と政党心理」、「九、政党の…

『日本-その問題と発展の諸局面』(26)

五、天皇の大権 天皇の権限が強化されるとともに制限されている道具として、憲法と皇室典範がありこの2つが日本君主制の法的基礎を為している。 一つは世界最古の王朝の権利を支え、もう一本は民権を支持している。 そして民衆はこの民権を新たに自覚したば…

『日本-その問題と発展の諸局面』(24)

政党結成の困難は、徳川体制下の徒党を禁じる法の下、5人以上で目的が明らかでなく集まると逮捕を免れなかったという思考習慣にあった。 他方、全国の若い不満分子を集めた板垣の政党の動きを新渡戸は批判する。 「時の政府に同情を覚えてよかろう。」と。 …

『日本-その問題と発展の諸局面』(22)

『日本-その問題と発展の諸局面』は25才で即位された昭和天皇に向けてジュネーブの国際連盟から戻った65才の新渡戸が書いているような気もする。 現行憲法の天皇象徴論の起源が新渡戸にある、と評論家の櫻田淳氏が述べていたのが気になって、新渡戸がそんな…

「新渡戸稲造における修養論の位相 : 包摂と排除の視点から」伊藤敏子2015

新渡戸研究、結構あります。 昨年の論文。新渡戸の教養主義とはなんぞや?と気になっていた。 この教養主義が、近衛文麿始め、軍国主義、ファシズムを先導する人材を作っていったように見えるからだ。 下記の論文をサラッと拝読。 「新渡戸稲造における修養…

『日本-その問題と発展の諸局面』(20)

14. 平和会議における日本、はベルサイユ会議の事である。 新渡戸は後藤新平に誘われてこの会議に参加している。 確か、後藤に「世界最大の茶番劇を見に行こう」というような事を言われて同行したはずだ。(記憶が定かではない)しかし、この会議参加で、新…

『日本-その問題と発展の諸局面』(21)

『日本-その問題と発展の諸局面』の第三章は前回で終了するつもりだったが、下記の新刊が紹介されていたので、同じ事を1931年のこの本で明確に述べている事だけメモしておきたい。 「満州国建国」は正当である 単行本 – 2016/7/23 ジョージ・ブロンソン・レ…

『日本-その問題と発展の諸局面』(18)

新渡戸著『日本-その問題と発展の諸局面』の第三章「新日本の出現」を5回に分けてなぞってきた。天皇制を中心にまとめるはずが、日清、日露、第一次世界大戦の日本の正義について新渡戸がどう言ってるのか関心がある。 一般的に日本に正義は無い事になって…

『日本-その問題と発展の諸局面』(19)

第一次世界大戦勃発時、日本はヨーロッパの戦争であるとの認識と、三国干渉の恨みが鈍り、ドイツに対する同情さえあった、という。新渡戸の記述で気になる箇所がある。 「またもし軍閥がきままに振る舞うことができたとすれば、日本がかくも速やかに”連合国”…

『日本-その問題と発展の諸局面』(17)

新渡戸稲造の天皇論。 もしも現憲法の「象徴」の箇所を新渡戸に依拠しているのであれば、それは「武士道」の下記の部分と『日本-その問題と発展の諸局面』の下記の部分である。 「神道の自然崇拝は国土をば我々の奥深きたましひに親しきものをたらしめ、そ…

『日本-その問題と発展の諸局面』(23)

新渡戸の天皇象徴論が展開されるのは、第四章の第一項「国体ー日本の憲政上の固有性」である。 象徴論の部分は下記に書いたので省略する。新渡戸は「天皇は国民の代表であり、国民統合の象徴である。」と言っている。 新渡戸稲造の天皇象徴論(3) - やしの…