2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

新渡戸の武士道

イケメン後藤には敵わないが新渡戸もハンサムだった 新渡戸といえば「武士道」。 そう言われと、新渡戸研究者や私のような新渡戸愛好者は違和感を感じるのではないだろうか?「わかっちゃあねえな」と。 そもそも「武士道」は英語で書かれ、新渡戸の妻のメア…

矢内原の満州・大陸政策小論5本

矢内原忠雄全集第5巻の「論文(下)」には6本の南洋に関する小論が収められている。これをきちんと読もうと本を再度開いのだが、その6本の論文の前に5本の満州と大陸に関する小論が収められている。中国のことも満州のこともわからないから読まないでいたが…

後藤新平の大亜細亜主義(5)

またイケメン後藤新平に会いに水沢に行きたいなあ 後藤新平の「大亜細亜主義」いよいよ最後となりました。 後藤の郷里、水沢にある後藤新平記念館の皆様にはせっかく文字を書き起こし、難しい漢字を調べていただいたのに申し訳ないです。 これも意地になって…

後藤新平の大亜細亜主義(4)

矢野仁一の「中国非国論」と後藤新平の「大亜細亜主義」その中国認識は同じだったのでは? 後藤新平の大亜細亜主義。短い論文だが難しいし奥が深い。中国問題ど素人の私はわからない。水沢の後藤記念館の皆さんがせっかく原稿を打ち直し、漢字も調べていただ…

後藤新平の大亜細亜主義(3)

後藤新平の大亜細亜主義は、現在のインド太平洋構想、環太平洋構想、アジア太平洋経済協力、大東亜共同宣言、大東亜共栄圏 と理解する出発点のような気がしている。 西洋の世界観に対抗するアジア中心の概念なのだ。 前回からの続き。文章は水沢の後藤記念館…

『日本・1945年の視点』三輪公忠著ー再読 第6章国家の連続性と占領協力

第6章「国家の連続性と占領協力」に矢内原が戦後、新渡戸を守ろうとして、改竄したことが書かれている。以前読んだ時はそのことを確かめるべく矢内原や新渡戸にのめり込んで行ったのだった。 戦後の新渡戸に対する「誤解」「虚像」は弟子の矢内原が作ったの…

『日本・1945年の視点』三輪公忠著ー再読 第5章地域的普遍主義から地球的普遍主義へ

本棚に戻さずによかった。8月15日に『日本・1945年の視点』にある、解放か?侵略か?を議論した「第5章地域的普遍主義から地球的普遍主義へ」を読めたことは幸運だった。 この章は以下の4節から構成される。 1 地政学の援用 2 戦後秩序への提言 ー 「大…

『日本・1945年の視点』三輪公忠著ー再読 4章アジア新秩序の理念と現実

矢野仁一と内藤湖南 三輪公忠氏のこの本と同時に後藤新平の大亜細亜主義の論文を読んでいる。あれこれ読みたい資料が出てきて収拾がつかなくなり、今4、5点を同時に読んでいるのだが、いっしょでよかった。同じ事が書かれているのだ。 後藤新平の亜細亜主…

後藤新平の大亜細亜主義(2)

英国の香港統治を台湾統治に模倣した後藤新平は国際主義者のように思っていたが、下記の文を読むと強硬な”排他的”アジア主義である事がわかる。伊藤博文が反対した理由もわかる。後藤は蘭学を学んでいたが、同時に中国からも多くを学んでいたはずだ。という…

『日本・1945年の視点』三輪公忠著ー再読 3章 大正の青年と明治神宮の杜

三輪公忠氏はウィキを見ると国際政治学者とある。 『日本・1945年の視点』は多くの視点、多くの事件が書かれており学術論文といより雑文(雑な文章という意味ではない)随筆的な内容だ。 3章 大正の青年と明治神宮の杜 も面白いがあまりにも多くん情報が集…

後藤新平の大亜細亜主義(1)

水沢の後藤記念館とイケメン新平 インド太平洋構想のルーツに亜細亜主義があるのではと、ハウスホーファーや玄洋社を読んでみたがよくわからなかった。後藤新平が伊藤博文に広島の宮島で大亜細亜主義を語っているのは後藤の「厳島夜話」で知った。 何度か読…

『日本・1945年の視点』三輪公忠著ー再読

私が三輪公忠氏の著書に出会ったのは新渡戸にのめり込んだ頃で、上記のブログにあるように北岡伸一氏のトンデモ本を読んで頭から煙を出していた時だ。 『日本・1945年の視点』には新渡戸と矢内原のことも結構書かれていて、購入を決意した。いくつか感想文を…

後藤・新渡戸を師と仰いだ台湾の李登輝元総統

私の新渡戸・後藤との出会いは、本格的には矢内原の『南洋群島の研究』をきっかけにした植民論であるが、それ以前も李登輝氏の本で知ったことにある。 その李登輝氏を知ったのはベストセラーとなった『戦争論』で「え?日本悪くなかったの?」と気づかせてく…