安倍総理の死に接して:太平洋のムーンとササカワ(4)

安倍総理殺害から2週間が経過した。山上容疑者の思惑通り、統一教会に対する批判が顕在化してきた。統一教会の存在は太平洋で朧げに知っていた。

90年代、太平洋島嶼国を訪ねるとよく聞かれたのだ。

「あなたムーン?」

「いえ、ササカワ」

私と同じ20代の日本人女性が統一教会から太平洋島嶼国に派遣され現地有力者とコネクションを作っていた。今回統一教会のウェブを確認したところ、2000年初頭から現地に事務局長を置いて国際会議などを行っている。世界の159ヵ国をカバー。11の太平洋島嶼国・地域が入っている。

統一教会が太平洋に広く浸透していることは確かである。そして、その関係者らしき日本人男性が執拗に私にアプローチしてきた事も書いておきたい。「島嶼連合」というアイデアを提案してきた中島昌という人物である。Linkedinには第3祝福独立研究所とある。この名称はまさに統一教会そのものであろう。もちろん本人は統一教会とは一切言わない。所属が不明な事が怪しいと思わざるを得なかった。それで距離置いてきた。提案内容も文字が躍るだけのレベルで興味もわかなかった。

その中島氏が提案する「島嶼連合」という文字が、統一教会問題を追いかける前参議院議員の有田氏が入手した資料にあったのだ。毎月90万円の国内経費が計上されている。他の額に比べれば極端に少ないが「島嶼連合」は明らかに統一教会の事業の一つとなっているのだ。

統一教会と太平洋島嶼国、海洋問題を呟いていたらフォロワーの方から文鮮明が「環太平洋摂理」という本を出していることを教えてもらった。太平洋島嶼と海洋は明らかに統一教会のターゲットになっていた。

安倍総理の死に接して調べる中で、笹川は単に文鮮明を支援したのではなく、その利点を最初に認識し、日本に呼び込んだ様子が見えてきた。児玉とそのヤクザ仲間で勝共連合を設立し、反共を名目に武器の輸入など違法行為を行っていたこともわかった。戦前から続くテログループ(神道ヤクザという表現もあった)を維持しているのだ。

太平洋のムーンとササカワは一体、なのかもしれない。