新渡戸の天皇象徴論 - バジョットの『イギリス憲政論』

現行憲法が新渡戸の天皇象徴論を参考にしている可能性がある、というコメントをFBで見てそんなはずはない、と新渡戸の文章を読んだ。おかげで新渡戸の天皇論を深く知る事となり、おまけに神武オーストロネシア語族の説も知る事となった。

これで日本の皇室が、自分の中で一気に太平洋につながったのだ。

 

ただし、現行憲法天皇象徴がどのように盛り込まれたかの議論は一切知らなかった。下記の八木秀次氏の記事にはイギリスのジャーナリスト、ウォルター・バジョットの『イギリス憲政論』(“The English Constitution”、1867年)をGHQ民政局*が参照したという事だ。

 

よって、現行憲法は新渡戸を参照にしたのではない。そうであれば良かったと素直に思う。もしGHQが新渡戸の書いたものを参考に現行憲法天皇の象徴の部分を書いたと新渡戸が知れば新渡戸が黙っていたとは思えないからだ。

 

 

「政府も悩む皇室「パンドラの箱」 退位・譲位の制度化がはらむ皇室の尊厳を脅かす危険性とは… 」麗澤大教授・八木秀次

http://www.sankei.com/premium/news/160917/prm1609170002-n1.html

 

 

 

*このGHQ民政局の誰が象徴と書き込んだのか?下記にサイトに名前が掲載されている。

Richard A. PooleとGeorge A. Nelson, Jr.の背景や証言(あれば)を追っていけば「象徴」とした背景もわかって来るのだろう。バジョットの『イギリス憲政論』もいつか読んで見たい。

 

http://www.ndl.go.jp/constitution/e/shiryo/03/076a_e/076a_etx.html

Emperor, Treaties and Enabling Committee

Richard A. Poole, Ens. USNR

George A. Nelson, Jr., 1st Lt