デジセルー矢内原ーアイルランド紀行

息子のご先祖様の一人であるLord Edward Fitzgeraldの墓参りも兼ねて来年アイルランド行きを計画している。

 

そこにカリブ諸島と南太平洋で展開する携帯電話会社デジセルの件を論文の中で書く事になり、オーナーのDenis O'Brien氏と経営哲学とアイルランドの歴史的背景が切っても切り離せない関係である事がわかった。

 

 

アイルランド人はイギリス人の過酷な植民地政策の中で奴隷としてカリブ諸国に売り飛ばされていたのだ。

急にアイルランドの歴史やアイルランド気質を知りたくなって、矢内原忠雄先生が「アイルランド問題の沿革」というのを書いていて、手元にあったので早速読んだ。

アイルランドは一時はヨーロッパ文明国としてリーダー的存在だった時代もあるのだ。

イギリス人に最初に詩を教えたのはアイルランド人との説も。

それが惨めにもイギリス植民地になってからは宗教を理由に教育を受けさせない、土地を売買させない等々の愚民政策をやられたおかげで英国内で、若しくは英国圏で差別される存在となってしまった。ジャガイモ飢饉などアイルランドの悲劇は語り尽くせない。

 

矢内原は娘のご先祖様が1798年に企て、殺害された革命についても同情と共に触れている。

 

ところでアイルランド、と言えばケネディ大統領でもある。

ケネディ大使がいつも緑の服を着ていらっしゃるのはアイルランドを意識して、であろう。

オーストラリア、米国(カリブ諸島にも?)に多くの移民を送り出しているアイルランドを知る事は日本の安全保障上も重要かもしれない。

100年前の反日の背景にはアイルランド人の差別の不満の矛先を日本に向ける、という策略もあった、とこれはどこかで目にして記憶にあるのだが、しっかりは調べていない。

 

 

追記:矢内原のアイルランド研究を、研究した論文があった。

「朝鮮関係をアイルランド史中に読むべしー矢内原忠雄未発表講義ノートの検討ー」 齋藤 英里

武蔵野大学政治経済研究所年報 (第1号),281-302頁 2009/03

www.musashino-u.ac.jp/facilities/...of.../11.saito_281-302.pdf