新渡戸稲造の『日本-その問題と発展の諸局面』から天皇について論じた箇所を拾っている。
第三章は明治維新以降、この本が出版される1931年までが、この時代に生き、歴史を作った当事者としての視点で書かれている。
この本は英国の知識人を念頭に書かれており、新渡戸の外交のあり方も示しているように読める。
さらに、1926年国際連盟事務局次長の職を終えて日本に戻った65才の新渡戸を待っていたのは在位されたばかりの25才の昭和天皇だったのではないか?1926年から新渡戸が亡くなる1933年までの6年強、昭和天皇と新渡戸はかなり近かったのではないか?新渡戸稲造は国際社会の中で日本が、天皇がどうあるべきかをこの本に書いたのではないだろうか?と思えるのだ。
日清、日露戦争の箇所は直接天皇論とは関係ないが、日本の国際的立場を決める、また新渡戸が積極的に関与した件でもあるし、ここに書かれている事はよくまとまっていて当方にとっては始めて知る事を多いので、メモしておきたい。
第三章の、
七、朝鮮問題
八、中国との戦争
九、三国干渉
十、日清戦争の影響
十一、拳匪の乱と日英同盟
十二、日露戦争とその結果
を次回一気にまとめたい。